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サイエンスクラス講座「遺伝子を科学する③:かずさDNA研究所にて」

 

7月20日(火)に、かずさDNA研究所との連携講座「遺伝子を科学する③」を行いました。今までの講座で得た知識を活かし,いよいよ「かずさDNA研究所」での校外学習となりました。
ここでは、自分の細胞からDNAを取り出し、遺伝子解析実験と施設見学を行いました。
かずさDNA研究所は,最先端のDNA研究を行っており,「食料・農業」「医療・生活」「産業・環境」等のあらゆる分野のゲノム・遺伝子解析を進め,社会に役立てるための多くの知見を発表しています。
遺伝子解析実験では、「ALDH2の遺伝子解析」というテーマで,お世話になっている長瀬隆弘先生をはじめ青木正寿先生、スタッフの方々からご指導を受けながら、目的とする遺伝子の変異の有無を調べ,アルコール耐性(お酒に強いか弱いか)を判断する実験を行いました。
この遺伝子は,DNAの中のたった1つの塩基配列の違いで,そこからつくられる酵素の働き方が変わってしまうものです。生徒は,実験を行う前から「お酒に強いのかな?」「両親ともお酒強くないから、多分弱いのかな。」などを予測した上で実験を行いました。マイクロピペット、遠心機、電気泳動装置など、授業の実験で使用する機会が少ない器具の操作を体験しました。今話題のPCR法によりDNA断片を100万倍以上に増幅させた後,アガロースゲル電気泳動を使ってDNA断片の大きさの違いによって分離していき,蛍光試薬を使用して視覚化することで、DNA断片の大きさを泳動のバンドで確認しました。電気泳動の操作では、緊張して手が震えてしまい、アガロースゲルに注入することができない生徒もいました。実験結果が出ると,自分の体質を早く知りたい生徒たちは,急いでゲル撮影装置のプリントを取りに行き,自分自身のアルコール耐性について確認していました。
「遺伝子を科学する①~③」を通して,遺伝子の基礎~発展的な内容も学習することができました。これから科学が発展した現代社会では、考えの違いによって生み出される正解のない多くの問題に対して,深く考えていくことが重要になってきます。この講座を通し,自分の意見を持ち,行動してもらえるようになるよう切に願っています。